お役立ち専門情報

収支相償関係

公益目的事業比率関係

業務内容に関するQ&A

業務の範囲は公益法人に関係すること全てに御対応いただけるのでしょうか?

はい。

新公益法人.comでは、一般社団法人、一般財団法人の設立から公益認定、公益認定後の決算関係書類の作成、定期提出書類の作成等、公益法人に関係する業務全般に対応しております(ただし、会員管理など一部の業務には対応しておりません。対応可能な業務については、お気軽にお問い合せください)。

非営利型の一般社団法人、一般財団法人の設立にも御対応いただけるのでしょうか?

はい。

新公益法人.comでは、非営利型の一般社団法人、一般財団法人の設立に対応しております。
また、設立後の会計記帳や決算業務だけでなく、公益認定にも対応できる特色を有しております。
さらに、社団法人、財団法人の設立に経験豊富な司法書士事務所と提携しており、法令・税務の両方から適切なアドバイスをさせて頂きます。

公益認定を目指すにあたり公認会計士、税理士を監事候補として探しております。新公益法人.comで御紹介いただけるのでしょうか?

はい。もちろん紹介可能です。

新公益法人.comでは、担当の公認会計士または税理士を監事に任命していただき、理事会等への出席などを通じて業務監査、会計監査を実施し、ともに公益法人を目指すサービスも提供しております。

初回の相談には料金が発生するのでしょうか?

初回の打ち合わせは無料となっております。

公益法人制度や社団法人、財団法人に関する無料相談を開催しておりますので、お問い合わせフォーム等からお気軽にご連絡ください。
なお、電話での無料相談は行っておりませんのでご了承ください。

公益認定を目指す場合の期間はどのくらい必要でしょうか?

公益認定の申請までの期間についてはお客様と御相談のうえ、お客様の事業の概要等を確認したうえで決定させていただきます。
申請後、公益認定までの期間については、法人の状況などにより審査に時間がかかる場合も想定されます。通常ですと6ヵ月から1年程度は必要となります。

地域は全国に対応しているのでしょうか?

原則として関東に限定しておりますが、例外的に、関東以外のお客様にも対応しております。
対応可能かどうかお気軽にご相談ください。

記帳代行も対応していただけるのでしょうか?

もちろん対応可能です。

公益法人専用の会計ソフトを使用し、公益法人に関する最新の会計基準(平成20年基準)により会計処理を代行させていただきます。

決算にあたり必要となる資料の作成も代行していただけるのでしょうか?

はい。もちろん可能です。

貸借対照表、正味財産増減計算書、財務諸表に対する注記、財産目録、附属明細書などの計算書類等の作成だけでなく、事業報告等の提出書類や公益目的支出計画実施報告書などの定期提出書類、変更認定(変更認可)や変更届出など、行政庁に提出するすべての書類に対応可能となっております。

決算だけでなく、行政庁提出書類まで対応でき、代理人として直接行政庁と対応することが可能であるため、お客様の負担を軽減することが可能となっております。

税務署に提出する書類の作成も代行していただけるのでしょうか?

はい。もちろん可能です。

専門の税理士により書類の作成を代行いたします。
公益法人をはじめとする非営利法人の税務は、一般企業の税務と異なる点が多くありますので、一般企業を専門とされている税理士ではなく、弊社のような非営利法人を専門としている税理士に任せる方が望ましいと言えます。

議事録等の英訳も可能でしょうか?

申し訳ありません。現在は議事録の英訳等は行っておりません。

公益法人制度に関するQ&A

公益法人制度改革とは何ですか?

旧公益法人に関しては、以下のような問題点が指摘されてきました。

  • 公益法人の中には,公益とは言えないような法人も存在した。
  • 公益性の判断が主務官庁の自由裁量であったため非常に曖昧であった。
  • 公益法人の事業内容が明確に国民に示されていない。
  • 営利事業を行っているような公益法人が税制面で優遇されるのは不公平である。

上記のような問題点を改善するため、公益法人制度が平成20年12月1日に大改正が行われました。
施行された法律と概要は以下のとおりです。

「一般社団法人及び一般財団法人に関する法律」
→事業の公益性の有無については特に問わず、定款作成、認証、登記の手続きを経れば、法人各を取得できる一般社団法人、一般財団法人に関する制度を創設し、その設立、組織、運営及び管理についての規定を整備しています。

「公益社団法人及び公益財団法人の認定等に関する法律」
→一般社団法人、一般財団法人から公益認定により公益社団法人、公益財団法人に移行するための条件や公益認定後の制約等を定めています。

「一般社団法人及び一般財団法人に関する法律及び公益社団法人及び公益財団法人の認定等に関する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律」
→上記二つの法律の施行に伴い、中間法人法が廃止となるほか、民法とその他関連法を整備するもの。主に移行法人について定めています。

この改正により法人の設立と公益認定が別の手続きとして区分されました。

新公益法人として認定されるための要件は何ですか?

公益法人として認定さえるためには、以下の要件を満たす必要があります。

「公益目的事業を行っていること」
→公益事業として23事業が定められています。また、「不特定多数の利益の増進に寄与するもの」である必要があります。

「公益認定の基準に該当していること」
→18項目の基準が定められていますので、当該基準に合致する必要があります。

「欠格事由に該当しないこと」
→6項目の「欠格事由」が定められていますので、当該「欠格事由」に該当しない必要があります。

新公益法人として認定されるための18の基準とは何ですか?

公益法人として認定されるための18の基準は、以下のとおりです

  • 公益目的事業を行うことを主たる目的とするものであること。
  • 公益目的事業を行うのに必要な経理的基礎や技術的能力を有するものであること。
  • その事業を行うに当たり、社員、評議員、理事、監事、使用人その他の政令で定める当該法人の関係者に対し特別の利益を与えないものであること。
  • その事業を行うに当たり、株式会社その他の営利事業を営む者又は特定の個人若しくは団体の利益を図る活動を行うものとして政令で定める者に対し、寄附その他の特別の利益を与える行為を行わないものであること。ただし、公益法人に対し、当該公益法人が行う公益目的事業のために寄附その他の特別の利益を与える行為を行う場合は、この限りでないこと。
  • 投機的な取引、高利の融資その他の事業であって、公益法人の社会的信用を維持する上でふさわしくないものとして政令で定めるもの又は公の秩序若しくは善良の風俗を害するおそれのある事業を行わないものであること。
  • その行う公益目的事業について、当該公益目的事業に係る収入がその実施に要する適正な費用を償う額を超えないと見込まれるものであること。
  • 公益目的事業以外の事業(以下「収益事業等」という。)を行う場合には、収益事業等を行うことによって公益目的事業の実施に支障を及ぼすおそれがないものであること。
  • その事業活動を行うに当たり、規定する公益目的事業比率が50%以上となると見込まれるものであること。
  • その事業活動を行うに当たり、規定する遊休財産額が決められた制限を超えないと見込まれるものであること。
  • 各理事について、当該理事及びその配偶者又は3親等内の親族(これらの者に準ずるものとして当該理事と政令で定める特別の関係がある者を含む。)である理事の合計数が理事の総数の3分の1を超えないものであること。監事についても、同様とするものであること。
  • 他の同一の団体(公益法人又はこれに準ずるものとして政令で定めるものを除く。)の理事又は使用人である者その他これに準ずる相互に密接な関係にあるものとして政令で定める者である理事の合計数が理事の総数の3分の1を超えないものであること。監事についても、同様とするものであること。
  • 会計監査人を置いているものであること。ただし、毎事業年度における当該法人の収益の額、費用及び損失の額その他の政令で定める勘定の額がいずれも政令で定める基準に達しない場合は、この限りでないこと。
  • その理事、監事及び評議員に対する報酬等について、内閣府令で定めるところにより、民間事業者の役員の報酬等及び従業員の給与、当該法人の経理の状況その他の事情を考慮して、不当に高額なものとならないような支給の基準を定めているものであること。
  • 一般社団法人にあっては、次のいずれにも該当するものであること。

     社員の資格の得喪に関して、当該法人の目的に照らし、不当に差別的な取扱いをする条件その他の不当な条件を付していないものであること。
     社員総会において行使できる議決権の数、議決権を行使することができる事項、議決権の行使の条件その他の社員の議決権に関する定款の定めがある場合には、その定めが次のいずれにも該当するものであること。
      社員の議決権に関して、当該法人の目的に照らし、不当に差別的な取扱いをしないものであること。
      社員の議決権に関して、社員が当該法人に対して提供した金銭その他の財産の価額に応じて異なる取扱いを行わないものであること。
    理事会を置いているものであること。

  • 他の団体の意思決定に関与することができる株式その他の内閣府令で定める財産を保有していないものであること。ただし、当該財産の保有によって他の団体の事業活動を実質的に支配するおそれがない場合として政令で定める場合は、この限りでないこと。
  • 公益目的事業を行うために不可欠な特定の財産があるときは、その旨並びにその維持及び処分の制限について、必要な事項を定款で定めているものであること。
  • 公益認定の取消しの処分を受けた場合又は合併により法人が消滅する場合(その権利義務を承継する法人が公益法人であるときを除く。)において、規定する公益目的取得財産残額があるときは、これに相当する額の財産を当該公益認定の取消しの日又は当該合併の日から一箇月以内に類似の事業を目的とする他の公益法人等に贈与する旨を定款で定めているものであること。
  • 清算をする場合において残余財産を類似の事業を目的とする他の公益法人等に帰属させる旨を定款で定めているものであること。
新公益法人制度において公益目的事業とは何ですか?

公益目的事業とは、学術、技芸、事前その他の公益に関する別表各号に掲げる種類の事業で、不特定多数の者の利益に寄与する事業を言います。

別表各号に記載されている事業は以下のとおりです。

  • 学術、科学技術の振興
  • 文化、芸術の振興
  • 障害者、生活困窮者、事故・災害・犯罪被害者の支援
  • 高齢者福祉の増進
  • 勤労意欲のある者への就労支援
  • 公衆衛生の向上
  • 児童、青少年の健全育成
  • 勤労者の福祉向上
  • 教育、スポーツを通じて国民の心身の健全な発達に寄与
  • 犯罪防止、治安維持
  • 事故、災害の防止
  • 人種、性別などによる不当差別や偏見の防止、根絶
  • 思想、良心、信教、表現の自由の尊重、擁護
  • 男女共同参画社会の形成、その他より良い社会の形成推進
  • 国際相互理解の促進、開発途上地域への経済協力
  • 地球環境保全、自然環境保護・整備
  • 国土の利用、整備、保全
  • 国政の健全な運営確保
  • 地域社会の健全な発展
  • 公正、自由な経済活動の機会確保、促進、活性化による国民生活の安定向上
  • 国民生活に不可欠な物資、エネルギー等の安定供給の確保
  • 一般消費者の利益の擁護、増進
  • その他、公益に関する事業として政令で定めるもの
新公益法人制度において公益認定を受けるメリットは何ですか?

比較的簡素に設立できる一般社団法人及び一般財団法人に比べて、公益認定を受けることにより「公益社団法人」「公益財団法人」と名乗ることができるため、信頼性の向上というメリットがあります。

また、公益法人は、認定法上の公益目的事業と認められた事業は法人税法上の収益事業から除外されます。さらに、法人税法上の収益事業を行っている場合には、当該収益事業の利益の一部を公益目的事業に使用することにより課税所得を減らすことが可能です。

一般社団法人や一般財団法人に対しては、寄付を行った者に対する優遇措置はありませんが、公益法人の場合には、法人の場合には一部損金に算入できる、個人の場合には一定の控除が受けられるなど、税制面での優遇措置が認められており、寄付を集めやすくなるというメリットもあります。

公益法人制度において公益認定を受けるデメリットは何ですか?

収支相償、公益目的事業比率、遊休財産規制などの財務上の制限を受けることになります。

収支相償とは、原則として公益目的事業の実施に要する適正な費用を補う額を超える収入を得ることに対する制約であり、公益目的事業の損益がゼロかマイナスになることが求められます。

また、公益目的事業比率規制として、総費用の50%以上を公益目的事業の実施のために使用しなくてはなりません。

さらに、使い道の決まっていないような遊休財産については、法律で定められた一定限度額までしか保有が認められていません。

その他に公益目的事業と収益事業等を区分経理した計算書類、事業計画、収支予算書等を提出する必要があります。

上記のような制約について、行政庁が監督官庁となり、3年に1度を目安として調査が行われます。

一般社団法人や一般財団法人では、法令や定款に違反しなければ、原則として自由な事業をいつでも実施できましたが、公益法人になると公益認定時に認められた事業しか実施できず、新たな事業を実施する場合には、事前に変更認定申請を行う必要があります。

事業運営にかなり制約が多いため、自由な運営を希望する法人の場合には、公益認定を目指すか否かは慎重に判断する必要があります。

公益法人制度での、公益法人と一般社団法人、一般財団法人の違いは何ですか?

法人の設立と法人の公益性の認定を新制度では分離することにより、一般社団法人及び一般財団法人は登記のみで設立できることとなります。

したがって、一般社団法人及び一般財団法人は、比較的簡単な手続きにより短時間で設立が可能となりました。

一方、公益法人は、一般社団法人及び一般財団法人の設立後、さらに行政庁より公益認定を受けた法人を言います。公益法人は、単に登記だけでは設立できず、事業の公益性や適正な運営の確保について行政庁が確認し、公益認定を受ける必要があるため、公益法人となるためには多くのハードルが存在します。

公益法人は、実施できる事業について制約があります。原則として公益認定時に申請した事業のみを実施でき、新たな事業の追加や既存事業の変更、事業の廃止には事前に行政庁の承認が必要となります。一般社団法人や一般財団法人では、このような制約はありません。

その他、公益法人の場合には、収支相償や公益目的事業比率、遊休財産保有制限など多くのルールは存在します。

公益法人は、このように多くの制約がありますが、税務面で一定の優遇措置があります。

公益法人特有の税制として「みなし寄附金」という概念があります。これは、公益法人が実施している税務上の収益事業の利益を公益目的事業に繰り入れることにより税務上有利な取扱いをすることができます。

また、一般社団法人や一般財団法人に寄附を行っても寄附者に対しては特段の税制優遇措置はありませんが、公益法人への寄附は一定の税制優遇措置を受けることができます。

その他、相続税など各種税制面では一定の優遇措置があります。

公益法人制度において特例民法法人とは何ですか?

2008年12月の法令改正により既存の公益法人(社団法人、財団法人)は、特例社団法人・特例財団法人となり、2013年までに公益社団法人・公益財団法人に移行するか、一般社団法人・一般財団法人に移行することとなり、期間中に移行しない法人は解散することとなりました。特例社団法人・特例財団法人を総称して特例民法法人と呼びます。

したがって、現在では特例民法法人は、ほぼゼロの状況かと思われます。

公益法人制度において社団法人の設立には最低何名必要ですか?

社員は2名以上必要となります(設立後は社員が1名になることも可能)。その他、理事会設置社団法人の場合には、理事3名以上、監事1名以上が必要となります。

公益法人制度において一般社団法人、一般財団法人に移行するメリットは何ですか?

特例民法法人の一般社団法人、一般財団法人への移行認可期間は、終了していますので、ここでは、任意団体から一般社団法人等への法人化について記載します

任意団体から一般社団法人への法人化について一般的に以下のようなメリットが言われています。

  • 任意団体という責任の曖昧な組織体から一般社団法人という法令により責任関係が明確な組織体となることができ、また責任限定について定款等で定めることが可能であり、役員になる者の負担を軽減できます。
  • 任意団体は、資産の保有が困難なケースが多くあります。例えば、任意団体の銀行口座を代表者の個人名で開設する必要があるなどが、その典型ですが、一般社団法人になることにより法人名義で銀行口座の開設を含め、資産の所有が可能となります。
  • 任意団体は、登記がされませんが、一般社団法人であれば登記がされることから社会的信頼性が向上すると考えられます。
公益法人制度において一般社団法人、一般財団法人に移行するデメリットは何ですか?

特定民法法人の一般社団法人、一般財団法人への移行認可期間は終了していますので、ここでは、任意団体から一般社団法人等への法人化について記載します。

任意団体の場合、法令の定めがないため、定款や会則により自由な組織設計・組織運営が可能となっています。一方、一般社団法人等になると一般社団法人及び一般財団に関する法律をはじめ多くの法律に従う必要があるため、組織設計や運営に制約を受けることになります。主な制約は以下のとおりです。

  • 期間設計の制約
  • 理事及び監事の理事会出席義務
  • 代表理事及び業務執行理事の業務執行状況報告義務
  • 役員の任期
  • 各機関の権限と責任の明確化
  • 決算スケジュールの法定化
公益法人制度において公益法人が行ってはいけない事業はありますか?

公益法人の社会的信頼を維持するうえでふさわしくない事業(投機的な取引を行う事業、利息制限法第1条の規定により計算した金額を超える利息の契約または同法第4条第1項に規定する割合を超える賠償額の予定をその内容に含む金銭を目的とする消費貸借による貸付を行う事業、性風俗関連特殊営業)や公序良俗を害するおそれのある事業は新公益法人が行ってはいけない事業となっています。

なお、公益法人は、実施する事業について行政庁に事前に承認を得る必要があります。承認を得ていない事業は実施することができませんので注意が必要です。

公益法人制度において公益目的事業を行うのに必要な能力等は何ですか?

公益法人は、その設立目的達成のために、継続的に公益目的事業を行うことが期待されており、そのために必要な「経理的基礎」「技術的能力」を具備している必要があります。

公益法人制度において経理的基礎とは何ですか?

経理的基礎は、以下の3要件により判断されます。

  • 財政基盤の明確化
  • 経理処理・財産管理の適正性
  • 情報開示の適正性

特に情報開示の適正性については注意が必要です。

公認会計士による外部監査を受けている場合には、適切な情報開示が行われるものとして判断されます。また、公認会計士による外部監査を受けない法人においては、以下の場合に適切な情報開示が行われるものとして判断されます。

  • 費用及び損失の額または収益の額が1億円以上の法人については監事(2人以上の場合は少なくとも1名、以下同じ)に公認会計士または税理士がいること
  • 当該額が1億円未満の法人については監事に企業やその他の非営利法人の経理事務に従事した者がいること

なお、監事に上記のような者をおくことを法人に義務付けるものではありません。このような体制にない法人においては、公認会計士、税理士またはその他の経理事務の精通者が法人の情報開示にどのように関与するのかという説明を申請書の添付書類に記載する必要があります。

公益法人制度において技術的能力の要件とは何ですか?

事業実施のための技術、専門的人材や設備などの能力が必要となります。事業に必要な技術的能力は、法人自らがすべてを保有していることを求めているものではありません。

しかし、実態として自らが当該事業を実施していると評価されない程度にまで事業に必要な資源を外部に依存しているときには、技術的能力を備えていないものと判断される場合もありえますので注意が必要となります。

また、事業を行うにあたり法令上許認可等を必要とする場合には、申請時に添付する当該許認可等があったこと等を証する書類により技術的能力が判断されます。

公益法人制度において役員になれる親族等について制限はありますか?

不特定かつ多数の者の利益の増進に寄与すべき公益法人は実質的に特定の者の利益を追求することがあってはなりませんので、同一親族等で占めることができる理事または監事の人数は各々の総数の3分の1を超えてはいけないこととなっています。

ここで、同一親族等は、以下のような方が該当します。

  • 理事または監事の配偶者、三親等内の親族
  • 事実上婚姻関係と同様の事情にある方
  • その理事の使用人
  • 上記2、3以外の者であって、その理事から受ける金銭その他の財産によって生計を維持しているもの
  • 上記3、4に掲げる者の配偶者
  • 上記2、4までに掲げる者の三親等内の親族であって、これらの者と生計を一にするもの
公益法人制度において役員に関する同一団体関係者についての制限とは何ですか?

公益法人が特定の利害を代表する集団から支配されるような場合には不特定かつ多数の者の利益の増進に寄与するという公益法人本来の目的に反した業務運営が行われるおそれがあるため、他の同一の団体(公益法人を除く)の関係者が理事および監事に占める割合については、各々の総数の3分の1を超えてはいけません。

ただし、監事の総数が2人の場合に別の団体からそれぞれ1人ずつ監事を受け入れたとしても、各々の団体に属する者は1人であり、「合計数」を観念することができません。したがって、この場合は本基準に抵触することはありません。

監事の総数が1人の場合も、同様に「合計数」を観念することができないため、本基準が問題となることはありません。

公益法人制度において公益法人は会計監査人を必ず設置しなければならないのでしょうか?

公益法人については、会計監査人を設置し、当該会計監査人である公認会計士または監査法人の会計監査を受けることが原則となります。しかし、勘定の額が以下のすべてを充たす場合には、その設置が任意となっています。

  • 正味財産増減計算書の収益の部に計上した額の合計額が1,000億円未満
  • 正味財産増減計算書の費用および損失の部に計上した額の合計額が1,000億円未満
  • 貸借対照表の負債の部に計上した額の合計額が50億円未満

上記の要件に該当する公益法人は数百社程度と言われていますので、ほとんどの公益法人が会計監査人を設置する必要がないことになります。

監事の総数が1人の場合も、同様に「合計数」を観念することができないため、本基準が問題となることはありません。

新公益法人制度において役員の報酬等は無報酬でも問題ありませんか?

理事、監事および評議員に対する報酬等については、以下の点を考慮して不当に高額なものとならないような支給の基準を定める必要があります。

  • 民間事業者の役員の報酬等および従業員の給与
  • 当該法人の経理の状況その他の事情

報酬等の支給を義務付ける基準ではないので、無報酬でも問題ありません。しかし、その場合であっても報酬等の支給基準(役員報酬規程等)において無報酬である旨を定め公表する必要があります。

公益法人制度において法人に提供する財産額に応じて議決権に差異を設けることは可能ですか?

公益社団法人の社員総会の議決権は、社員が持ちます。また、学会や業界団体などは、会員を社員として位置づけ、複数の会員区分有している法人も多くあります。

ここで、社員が法人に対して提供した金銭その他の財産の価額に応じて議決権について異なる取扱いをしないことが認定基準として定められています。

このようなことから、会費の納入額により社員の議決権数に差を設けることは認められませんのでご注意ください。

例えば会費を1口1万円と定め、1口につき1議決権とするような定めを設けることは公益社団法人の場合にはできません(一般社団法人は可能)。

なお、逆に名誉会員制度などを設け、会費は納めないが社員総会での議決権を有する会員区分を設けることは公益社団法人であっても問題ありません。

新公益法人制度における公益認定基準にある「収支相償」とはどういうことですか?

公益法人制度における公益認定基準の1つである「収支相償」とは、公益法人の公益目的事業の収入が、その実施に要する適正な費用を償う額を超えてはいけないということを言います。

ただし、事業は年度により収支に変動があり、また長期的な視野に立って行う必要があることから、本基準に基づいて単年度で必ず収支が均衡する必要はありません。

公益法人制度においては、特定費用準備資金への積立をもって費用とみなすことが出来るため、中長期では収支が相償することが確認できれば本基準を満たすことが可能となります。

収支相償については、内閣府公表のFAQにおいて考え方や対応策が更新されています。上記以外の対応策も順次公表されていますので、最新の情報を把握しておく必要があります。

公益法人制度における公益目的事業比率とは何ですか?

公益法人は、公益目的事業の実施を主たる目的とすることから、法人の全事業規模に占める公益目的事業の規模は過半を占める必要があります。当該事業規模を計る指標として公益目的事業比率が定義されています。

公益法人制度において公益目的事業比率はどのように算定するのですか?

公益目的事業比率は次の算式により算定します。

公益目的事業比率=公益実施費用額÷(公益実施費用額+収益等実施費用額+管理運営費用額)×100≧50%

  • 公益実施費用額:その事業年度の正味財産増減計算書に計上すべき公益目的事業に係る事業費の額
  • 収益等実施費用額:その事業年度の正味財産増減計算書に計上すべき収益事業当に係る事業費の額
  • 管理運営費用額:その事業年度の正味財産増減計算書に計上すべき管理費の額

上記には、特定費用準備資金の積立や取崩し、みなし費用については別途考慮する必要があります。

新公益法人制度において公益目的事業比率の算定にあたり考慮すべき「みなし費用」とは何ですか?

公益法人制度において公益目的事業以外の事業を実施している場合には、公益目的事業比率を高めることが非常に重要となります。

公益目的事業の経常費用のみ公益目的事業比率の要件を満たす場合には問題ありませんが、要件を満たさない場合には、公益事業比率の算定にあたり、以下の4つの「みなし費用」を検討する必要があります。みなし費用は、法人の選択により継続性を条件に使用できるものであり、会計処理とは無関係に公益目的事業比率を計算するときだけの調整項目となるものです。

  • 土地の使用にかかる費用額
  • 融資に係る費用額
  • 無償の役務の提供等に係る費用額
  • 特定費用準備資金への積立額
公益法人制度において公益認定基準にある遊休財産額保有制限とは何ですか?

公益法人が保有する財産は、公益目的事業を行うために保有するものであることから、公益目的事業と関係のない財産を過大に保有することを防ぐために制限が設けられました。純資産のうち、具体的な使途の定まっていない財産額が、1年分の公益目的事業の経常費用相当額(一部調整項目有り)を超えてはいけないというのがその内容です。

新公益法人制度の公益認定基準における遊休財産額とは、公益目的事業または公益目的事業に必要なその他の活動に使うことが具体的に定まっていない財産を指します。

公益法人制度において公益認定基準にある株式保有制限とは何ですか?

公益法人は、他の団体の意思決定に関与することができる株式等を保有してはいかないことになっています。公益法人が株式等の保有を通じて営利法人等の事業を実質的に支配することにより公益目的事業比率が50%以上という認定基準を潜脱することを防ぐため、公益法人による他の団体の意思決定に関与することができる財産の保有を制限する認定基準を設けられています。

新公益法人制度において公益認定基準にある不可欠特定財産の維持及び処分制限とは何ですか?

公益法人は、公益目的事業に不可欠な特定の財産があるときは、その維持および処分制限等につき必要な事項を定款で定める必要があります。

公益目的事業を行うために不可欠な特定の財産は、法人の目的、事業と密接不可分な関係にあり、当該新公益法人が保有、使用することに意義がある特定の財産を指します。例えば、一定の目的で収集、展示され、再収集が困難な美術館の美術品や、歴史的文化的価値があり、再生不可能な建造物等が該当します。

公益法人制度において公益認定が取り消された場合、財産は処分することになるのでしょうか?

公益法人は、公益認定の取消等があった場合に公益目的取得財産残額に相当する財産を類似の事業を目的とする公益法人等に贈与する旨を定款で定めていることが必要です。

公益目的取得財産残額とは毎事業年度末における公益目的事業財産の未使用残高です。

公益目的取得財産残額は、公益法人のすべての財産とは異なる概念ですので留意が必要です。

新公益法人制度において公益法人を清算した場合、財産は処分することになるのでしょうか?

公益法人は、清算を行った場合、残余財産を類似の事業を目的とする公益法人等に帰属させる旨を定款で定めていることが必要となります。そのため、当該定款に従い公益法人を清算した場合には、残余財産の帰属先を決定することになります。

公益法人制度において公益認定を満たすために必要な定款記載事項等はありますか?

公益法人制度において、公益認定を満たすためには、以下の事項を定款に定める(留意する)必要があります。

  • 公益社団法人の場合、社員に対し、資格の得喪、社員総会議決権等に関して不当に差別的な取扱いをしないものであること。
  • 理事会を設置していること。
  • 公益目的事業に不可欠な特定の財産があるときは、その旨ならびにその維持および処分の制限について必要な事項を定款でさだめているものであること。
  • 公益認定取消等の場合に公益目的取得財産残額に相当する財産を類似の事業を目的とする公益法人等に贈与する旨を定款で定めているものであること。
  • 清算の場合に残余財産を類似の事業を目的とする公益法人等に帰属させる旨を定款で定めているものであること。
公益法人制度において定款作成にあたりその他に留意すべき事項はありますか?

公益法人制度において、定款作成にあたり以下の事項に留意すべき必要があります。

  • 社員または設立者に剰余金または残余財産の分配を受ける権利を与える定めは無効となります。
  • 理事または理事会が評議員を選任・解任する定めは無効となります。
  • 財団法人の場合には、「目的」や「評議員の選任および解任の方法」は一般的に変更できない旨が定められています。しかし、評議員会の決議によって変更できる旨を定款に記載した場合には、変更することが出来ることになっています。上記のような定款の記載がない場合、変更に裁判所の許可を要することになってしまいますので、留意が必要です。
公益法人制度において役員等以外の者に一定の役職(相談役など)を付すことは可能でしょうか?

公益法人においては、役員等以外の者に相談役など法律上の権限はないが、権限を有するかのような誤解を生じさせる名称を付す場合には、原則として、定款に、その名称、定数、権限および名称を付与する機関についての定めを設けることが望ましいとされています。

公益法人制度において法律に規定がない任意の機関を設けることは可能でしょうか?

公益法人は、法律に規定がない任意の機関を設けることは可能です。

なお、当該機関を定款に設けて運営する場合には、当該機関の名称、構成および権限を明確にし、法律上の機関である社員総会、評議員会または理事会等の権限を奪うことのないように留意する必要があります。

公益法人制度において代表理事を理事長とするなど法律上の名称と異なる名称を付すことは可能でしょうか?

代表理事の名称を会長や理事長とすることは問題ありません。公益法人においては、一般社団法人及び一般財団法人に関する法律の名称と異なる通称名を定款に使用する場合には、「法律上の名称」と「定款で使用する名称」がどのような関係にあるのかを、定款上、明確にする必要があります。

公益法人制度において理事会、評議員会の決議は代理人によることも可能でしょうか?

理事会及び財団法人の評議員会については、代理人による議決権行使は認められません。また、理事や評議員が理事会や評議員会に出席することなく書面等によって理事会(評議員会)の議決権を行使することも認められません。

これは、理事(評議員)は、その個人的な能力、資質、手腕に信頼を受けて法人の運営を委任された者であることから、理事(評議員)は自ら理事会(評議員会)に出席し、議決権を行使することが求められます。

ただし、理事が理事会の決議の目的である事項について提案をした場合において、当該提案につき理事の全員が書面または電磁的記録により同意の意思表示(監事も反対の意思の述べない)をしたとき当該提案を可決する旨の理事会の決議があったものとみなす旨を定款で定めることができます。評議員会については、理事が評議員会の目的である事項について提案をした場合において、当該議案につき評議員の全員が書面または電磁的記録により同意の意思表示をしたときは、評議員会の決議があったものとみなします。

公益法人制度において各種規程、規則を作成するにあたり、公益認定上、留意が必要なものはありますか?

公益認定申請を前提とする場合、以下の規程は通常必要となるケースが多いと考えられます。

  • 役員報酬規程:公益法人は、役員報酬規程の開示義務があるため、例え役員全員の報酬が無報酬であっても作成が必須となります。
  • 役員等退職手当支給規程:該当がある場合には、上記と同様に作成が必要となります。
  • 代議員選挙規程(代議員規程):代議員制度を採用する場合には、選挙等の詳細は規程とすることが多いと思いますので作成が必要となります。
  • 特定費用準備資金等に関する規程:特定費用準備資金等の積立が予定されている場合には、作成をしておくことが望ましいと考えられます。
  • 選考委員会規程:公益目的事業として何等かの選考を伴う事業を予定している場合には、行政庁から選考委員や選考に関する規程について求められることが多いため作成をしておいた方が良いです。
  • 会費規程、寄付金の使途規程:公益法人になった後、収支相償などの要件を満たし、法人運営を柔軟に行えるようにするために、会費や寄付金について使途を定めた規程を作成することが一般的となっています。
  • その他:その他行政庁からの求めに応じて随時作成が必要となります。
公益法人制度において役員報酬規程・役員等退職手当支給規程を作成するにあたり、公益認定上、留意が必要なものはありますか?

公益認定を前提とした場合、役員報酬規程等は、理事等の勤務形態に応じた報酬等の区分及びその額の算定方法並びに支給の方法及び形態に関する事項を定める必要があります。

公益法人制度において代議員選出規程を作成するにあたり、公益認定上、留意が必要なものはありますか?

多数の正会員を有する学会などの公益社団法人においては、そのすべての正会員を社員とすると管理コストが多額になるため、正会員の中から選挙によって社員を選出すること可能であり、当該制度を代議員制と呼びます。代議員制を採用する場合には、定款にその旨と内容を規定することとなり、選挙を行うために必要な規程として「代議員選出規程」が必要となります。

代議員選出規程を作成する際には、当該定款の内容に反しないように留意が必要となります。

公益法人制度において財産管理運用規程を作成するにあたり、公益認定上、留意が必要なものはありますか?

公益法人であっても財産管理運用規程等の作成は、必須ではありません。作成する場合には、認定法上のルールに反しないように留意が必要です。例えば、認定法上の公益目的保有財産と定めている預金がある場合、当該預金は原則として取崩しが出来ません。このルールに反して取り崩しが出来る旨の規程を作成することは認定法に違反する可能性がありますので注意が必要となります。

公益法人制度において公益認定を受けるにあたり、申請はどのように行えば良いのでしょうか?

公益認定を受けるための申請は、電子申請、郵送申請、窓口申請のいずれかにより行います。

電子申請については、電子申請の開始申込が必要となります。

また、電子申請の場合、代理人による申請も可能です。

なお、当初はデータが消えるなど不具合が多かった電子申請ですが、改善が進み利用しやすいものになりつつあります。

税務に関するQ&A

税務調査があり講師の実費交通費についての源泉徴収漏れが指摘されました。講師の交通費について実費であっても源泉徴収が必要なのでしょうか?

講師に対する交通費や宿泊費については、実費相当額で支払った場合でも源泉所得税の対象になります。

なお、源泉所得税の対象となるものは講師に直接支払ったものに限られるため、謝金等の支払者が、直接ホテル代金を支払い、又は鉄道会社で切符等を購入し講師等に譲渡した場合には源泉所得税の対象外となります。

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